2008年05月26日

もう、本当に地球はあぶない。

「北極大変動」
再放送予定
2008年5月27日(火)
深夜 【水曜午前】0時55分〜1時44分 総合
北極大変動 第1集 氷が消え悲劇が始まった
 
2008年5月28日(水)
深夜 【木曜午前】0時55分〜1時44分 総合
北極大変動 第2集 氷の海から巨大資源が現れた


昨日25日(日)のNHKスペシャル「北極大変動」第1集 氷が消え悲劇が始まったを観られたかたはどのくらいいらっしゃるでしょうか。

とてもショックな内容でした。私は、地球の気候変動に無関心なほうではないと思います。そんな私でも、かなりショックで、実際今思い出すだけでも、涙が出てしまいます。

シロクマが本当に今、北極の温暖化のせいで絶滅の危機に瀕している。北極で沢山の氷が溶けていて、危ない。それらのことも十分ショックなのですが、私が一番ショックを受けたのは、ある科学者の、寡聞にして昨日はじめて聞いたこの言葉です。その科学者は言いました。

北極の温暖化は、もう「point of no return」の状態だ、と。
氷の状態は臨界点を超えてしまった
もう、昔の北極の状態には戻ることができないのだそうです。

何だか、私はそれがとても、むやみやたらに哀しくて、不思議なくらいに心の底から哀しいので、その理由を考えていました。地球の未来だとか、子供たちのこれからとか。色々なことを。でも、何かしっくり来ません。

そして、ふと星野道夫さんの大好きな一節を思い出しました。

やがてぼくは北海道の自然に強く魅かれていった。(中略)
多くの本を読みながら、いつしかひとつのことがどうしようもなく気にかかりはじめていた。それはヒグマのことだった。大都会の東京で電車に揺られている時、雑踏の中で人ごみにもまれている時、ふと北海道のヒグマが頭をかすめるのである。

ぼくが東京で暮らしている同じ瞬間に、同じ日本でヒグマが日々を生き、呼吸をしている……確実にこの今、どこかの山で、一頭のヒグマが倒木を乗り越えながら力強く進んでいる……そのことがどうにも不思議でならなかった。(中略)
自然とは、世界とは、面白いものだなと思った。(中略)
それはおそらく、すべてのものに平等に同じ時間が流れている不思議さだったのだろう。
(中略)
ぼくたちが毎日を生きている同じ瞬間、もうひとつの時間が、確実に、ゆったりと流れている。日々の暮らしの中で、心の片隅にそのことを意識できるかどうか、それは、天と地の差ほど大きい。

(『旅をする木』収録 “もうひとつの時間”より引用。)(改行はブログ用にsanouaが入れてます。)

旅をする木 (文春文庫)
星野 道夫
4167515024



私がとても哀しく感じているのは、このためなのだと思います。私は、“もうひとつの時間”に思いを馳せがちな人間なので、自分があくせく働いたり、遊びほうけたりしているそのとき、その同じ瞬間に北極でシロクマが歩いたり眠ったりしているということから、とてつもない大きな安心感をもらっていました。

きっと、私だけではなく多くの人が、意識的ではないにせよ、そのような安心感を持って(もらって)生きているのではないでしょうか。久しぶりに会社を早く出られたとき、まだ明るい空をみあげて思わずほっとするのは、きっとその空の美しさのためだけではなく、そのほかの沢山の“もうひとつの時間”の存在を感じられるから。

だから、臨界点を超えてしまったということが、とても悲しいのです。私たちは、シロクマが豊かに暮らしてきた北極を壊してしまった。シロクマの楽園と言われた場所は、もう元には戻らない。もう、シロクマたちは今までのようには幸せに暮らすことができない。

今私たちが持つ“もうひとつの時間”は、ゆったりと歩いたり実りのある狩りをしたりするシロクマではなく、飢えて歩きまわったり、餓死したり、いくら狩りをしようとしてもできなかったり、住む場所が狭くなったために経験の無いような戦いを余儀なくされたりしているシロクマたち。

そして、いずれ私たちはこの“もうひとつの時間”さえも失っていくのかもしれない。もう沢山失ってきているのに。私たちのせいで。

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こういう意見とか調査方法は、きっと色々あって、まだ大丈夫という科学者も、もしかしたら居るのかもしれません。でも、とてもショックでした。多分、他の色々な現象や映像などと一緒に紹介されていたからだと思います。

例えば、温暖化からくる飢えのために死んだシロクマの子ども。このページの右上の写真です。この年齢の子どもは、まだ母親の母乳が頼りです。だから、出産・冬眠していた穴から春に出てきた母親は、母乳を子どもに与えるために、夏が来るまでの間に沢山食べる必要があります。

今まで、シロクマは丁度同じ頃に北極で出産・子育てをしているワモンアザラシを食べていました。でも、氷が薄くなると、ワモンアザラシは出産をすることができず、そのせいでシロクマはワモンアザラシを狩ることができなくなりました。調査隊が言うには、多分飢えのために母親は、この子どもを捨てたのだろうとのこと。

また、シロクマの雄同士の戦い。今まで、北極大陸は広かったので、雄同士が出会うことは稀でした。しかし、住める場所が狭まり、雄同士が雌を争って戦うようになりました。

北極海には、大量の二酸化炭素を溜め込んでいた海溝があります。しかし、温暖化によって、その二酸化炭素が大気中に排出される可能性がある。などなど。

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今日、第2集 氷の海から巨大資源が現れたを見ました。北極の海底には、石油や天然ガスが豊富に眠っていますが、今までは厚い氷が邪魔をしていました。けれども、最近の北極の温暖化により、氷はどんどん溶け、氷河も薄くなり、どんどん北へ進むことができるようになっています。そのことが、「黒いゴールドラッシュ」を生み出し、北極の開発を加速化している、という内容。

地球の危機ですら、商機と見て争うように開発を進める各国。そして、それを使用している私たち。

先日、20世紀初頭のカリフォルニアでの「黒いゴールドラッシュ」を背景に、“欲望のモンスター”と化した石油王を描いた映画『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』を観てきて衝撃を受けただけに、人間は本当に恐ろしいと思いました。

:::
このシリーズ、かなり力をいれて作られています。訴えかける力がすごいです。見るのが少し怖いかもしれませんが、ひとりでも多くの方にみていただきたいな、と思います。

はあ、落ち込んで哀しんでいるだけでは何にもならないですので、できることからしなければね。元には戻せなくても、せめて止めることはできるはず。
posted by sanoua at 23:59| Comment(0) | TrackBack(1) | サスティナブル・ライフ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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NHKスペシャル5月25日,26日放送『北極大変動』
Excerpt: 地球温暖化の懸念のうち、北極の異変に特化した内容でした。 北極海の氷は、加速的に
Weblog: 論理的な独り言
Tracked: 2008-05-31 21:25
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